柴田美奈「もう完全にチームプレーです」 福島東稜(福島県)
「U18日清食品 東北ブロックリーグ2023」の女子は、4試合を終えた時点で福島東稜(福島県)が3勝1敗で首位に立ち、勝てば文句なしの優勝という状況で県立山形中央(山形県)との最終試合に挑みました。
第1クォーター、福島東稜は県立山形中央のゾーンディフェンスに対して3ポイントシュートを次々と沈めて23-6と圧倒します。しかし、第2クォーターに入ると県立山形中央のマンツーマンディフェンスにリズムを崩され、開始から約7分間で0-18のランを浴びて逆転を許しました。 簡単な試合などありませんが、タイトルが懸かるゲームとなれば平常心を保って自分たちのプレーをするのは難しいものです。それでも福島東稜のゲームキャプテン、柴田美奈選手が後半の立ち上がりに3ポイントシュートを沈め、続いてスティールからのワンマン速攻と勢いのあるプレーを連発。これをきっかけに立ち直った福島東稜は、その後は主導権を渡すことなく77-59で勝ち、戦績を4勝1敗として優勝を勝ち取りました。
星希望ヘッドコーチは試合後、「これを勝てば一つ結果が残るので、選手たちは朝からすごくソワソワしていたんです」と笑顔で振り返り、「努力していることが形になるのは一番うれしいです。これを自信に変えて、今後に繋げられればと思います」と続けました。
ゲームキャプテンとしてチームを引っ張った柴田選手は、表彰式後に「うれしいです!」と満面の笑みを見せてくれました。「昨日から得失点を考えてプレッシャーもあったんですけど、『今日勝てば優勝できる』といううれしさが強かったです。今日も思いきりプレーできてよかったです」
冒頭で触れたように県立山形中央戦の第2クォーターには連続18失点により逆転される厳しい時間帯がありました。柴田選手はあの時間帯を乗り越えられた要因をこう語ります。「相手がマンツーマンディフェンスに変えて、自分たちのバスケが手詰まりになって焦りました。でも、練習からそんな場合の対策をしていたので、うまく対応できたと思います。前日の盛岡白百合学園(岩手県)との試合でも前半はすごく競っていたけど、後半からはコートに出ている人も出ていない人もみんな声を出して、自分たちに流れを持ってくることができたので、それが今日の挽回にもつながりました」
星ヘッドコーチは「柴田がプレーでしっかり引っ張ってくれて、存在感を見せてくれました」と語り、最終戦だけでなく大会を通じてゲームキャプテンとしてチームを引っ張った柴田選手の働きを称えました。
しかし柴田選手本人は、ヘッドコーチや仲間のおかげでゲームキャプテンの役割を全うできていると言います。「ここは自分がやらないと、という場面もありますが、いつも星先生が心強いコメントをくれて楽になれるし、ベンチから『3ポイントは打ち続けろ』の言葉があったおかげで緊張せず打てて、入るようになりました。先生にも周りの選手にもすごく助けられています。なので、もう完全にチームプレーです」
「U18日清食品 東北ブロックリーグ2023」初代王者に輝いた福島東稜は、この大会で得た自信と経験を今後のさらなる成長に繋げていきます。
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