千田穂「チームを引っ張っていきたい」 県立秋田中央(秋田県)
エントリーメンバー10名で「U18日清食品 東北ブロックリーグ2023」に出場した県立秋田中央(秋田県)は、メンバー交代をほとんどしないまま東北のトップチームとの5試合を戦い抜きました。 今年は17年ぶりにインターハイ出場を果たしましたが、3年生の多くが進学準備などでこの大会を最後に引退。3年生で残ったのは千田穂選手と三浦華心選手の2人だけになりました。それでも「U18日清食品 東北ブロックリーグ2023」では粘り強い戦いを続け、3勝2敗の2位と好成績を収めました。
門間義範ヘッドコーチは「こういう機会はほとんどないので、すごくありがたいです」と手応えを語りますが、選手たちは勝った3試合よりも負けた2試合の印象が強かったようで、特に3年生の2人は悔しい表情を見せていました。
県立秋田中央にとってこの大会のカギとなったのは、大会4試合目の盛岡白百合学園(岩手県)との試合で、ここで77-75と接戦を制して勝ち越しとなる3勝目を挙げたのですが、千田選手に笑顔はありませんでした。2人しかいない3年生がチームを引っ張らなければいけない、そのためには最後までコートに立っていることが大切だと考えてはいましたが、パワーフォワードの千田選手はゴール下で身体を張って戦う必要があります。アグレッシブにプレーした結果、試合終盤に個人5つ目のファウルで退場していたからです。 3年生ではあっても、2人だけでチームを引っ張っていくのは簡単ではありません。その難しさを受け止め、千田選手はこう語ります。「今までは他の3年生のサポートが大きくて、それがなくなった今は自分たちが後輩に伝えなきゃいけないので、もっと周りを見て指示を出して、プレーの面でもチームを引っ張っていきたいです」
千田選手も三浦選手も、「もっと自分が力強く後輩たちを引っ張っていかなければ」という思いを強く持っていましたが、下級生の選手たちは良いプレーの後も悪いプレーの後も、自然と2人の3年生に視線を向け、次のプレーへと向かっていました。
千田選手と三浦選手はまだ十分でないと感じているのかもしれませんが、『頼れる3年生』の姿があったからこそ、東北の強豪チームと堂々の戦いを演じての3勝2敗、2位という成績を収めることができました。下級生にとっても、3年生の多くが抜けた後のこの大会は緊張感に満ちたものだったはずです。それでも思いきりよく全力プレーができたのは、『頼れる3年生』である千田選手と三浦選手の背中を追いかけたからに違いありません。「U18日清食品 東北ブロックリーグ2023」で得た経験と3勝を挙げた自信は、これからのチームにとって大きな財産となるはずです。
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