豪快ダンクを叩き込む十返翔里「平均35得点が目標」 八王子学園八王子(東京都)
「インターハイでできなかったことをしっかりやれるように」 八王子学園八王子(東京都)は、この大きなテーマを持って「U18日清食品 関東ブロックリーグ2023」に参加しています。インターハイでは3回戦で東山(京都府)に58-74で敗れましたが、全国随一のオフェンス力で決勝まで勝ち上がった東山を相手に、粘り強いディフェンスを見せました。八王子には206cmのサイズと長いリーチを備えた留学生プレーヤーのンジャイ パプ ンデリ セク選手がいます。少々、強引な形でゴール下にパスを放り込んでもンジャイ選手はねじ込むことができますが、彼のインサイドに依存するのは八王子学園八王子のスタイルではありません。
平面の激しさと運動量を第一とし、素早い攻守の切り替えによってイージーシュートの機会を大きく作り出す。これが八王子学園八王子のバスケです。文星芸術大学附属(栃木県)との試合でも、第3クォーターに前からの激しい守備で流れをつかみ、走る展開に持っていって突き放したことが89-71で快勝する要因となりました。
伊東純希ヘッドコーチは、あくまで日本人選手が主体となってンジャイ選手を支え、彼の能力の高さを生かすスタイルの構築を目指します。「得点はウイングの選手を中心に取っています。リバウンドは頼らざるを得ない部分が出ていますが、そこをもっと頑張れたら、ンジャイの持ち味がもっと生きます」 八王子学園八王子の目指すスタイルの確立に欠かせない日本人スコアラーとして、楽しみな存在が2年生の十返翔里選手です。3ポイントシュートと切れ味鋭いドライブに加え、スモールフォワードですが積極的にボールプッシュにも参加するなど、ハンドラーとしての高い能力を見せています。
しかも、高校2年生にして速攻から対空時間の長い豪快なダンクを叩き込む運動能力の持ち主。これは高校になってからの大きな変化が影響しています。「中学3年生で183cmだったのが、高校に入って急に身長が伸びました(現在は190cm)。中学生の時はジャンプ力もあまり自信はなく、当時はダンクができるようになるとは全く考えていなかったです」
この強烈なドライブをより効果的に繰り出すためにも、今は外角シュートで相手にプレッシャーを与えること、ディフェンスでもチームを支えることを意識しています。「3ポイントシュートの確率を上げたいですし、自分がもっと狙っていかないといけない。積極的に打つメンタリティも必要です。ディフェンスにも力を入れていて、そこは今日の試合でも良かったと思います」 冒頭で紹介した「インターハイでできなかったこと」とは具体的に何なのか。十返選手は「ベスト8に行くチームはイージーシュートをしっかり決め切ります。自分たちも決め切る力を身につけないといけない」と語ります。
その上で、自身の決定力を向上させ「平均35得点は取れる選手になりたいです」と頼もしい目標を掲げ、「ディフェンスからのブレイク、外からのシュートに力を入れて、困ったら留学生のインサイドというチームにはしたくないです」とエースとしての責任感を語ります。これを実現するために、「U18日清食品 関東ブロックリーグ」でハードワークを続けています。
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