揺るがないシューターのメンタリティー
札幌山の手 #4 巻朋花
「U18日清食品トップリーグ2023」の最終週で精華女子(福岡県)と対戦した札幌山の手(北海道)は、持ち味の流れるようなパスワークからズレを作り、#7谷口憂花選手(3年/174cm)や#8大山瑚南菜選手(3年/176cm)、#14高橋優希選手(1年/167cm)ら主軸に、各選手がバランス良くスコア。ディフェンスでも第2クォーターには精華女子の得点を僅か7に抑える好守を見せ、51-31と大量リードで前半を折り返します。
後半に入ると、精華女子も#7清藤優衣選手(2年/171cm)が得点面でチームを引っ張り、第3クォーターでは30-23とします。しかし、崩れない札幌山の手もクォーターエンドには高橋選手がミドルレンジジャンパーを沈めて相手の流れを断ち切ると、最終第4クォーターには開始から17-0のランを展開。そのまま最終戦勝利(109-70)を飾りました。
札幌山の手のトップパフォーマーを見ると、大山選手がチームハイの26得点、高橋選手が続いて25得点、谷口選手が14得点、11リバウンドのダブルダブルを記録していますが、もう一人見逃せない選手がいます。22得点を記録した#4巻朋花選手です。
持ち味はクイックモーションから放たれる正確な3ポイントシュートで、この試合ではトップリーグでの7試合で最多となる12本中7本をヒット。7試合トータルでも34.7%の確率(25/74)で長距離砲を沈めました。特筆すべきは全国トップクラスのチームが集まるリーグ戦で1試合平均10.6本の3ポイントシュートを打てていることと、それを及第点の確率で沈めていることです。
巻選手は「4割くらいは…欲を言えば5割は決めたい」と自身のシュート確率には満足していませんが、「このレベルでも打てているのには手応えがあって、特に速攻ではノーマークになることが多いので、ディフェンスからしっかりとブレイクを出して、その中でレイアップだけでなく3ポイントも狙っています。空いたら打てと言われているし、自分も打ちたいと思っています」と、ハイレベルな環境だからこそ「空いたら打つ」というシューターとしてのメンタリティーを強く持っています。
中学時代、そして札幌山の手に進学した後も2年時まではポイントガード(PG)としてコートに立つことが多かったという巻選手ですが、新チームが始まるタイミングから本格的にシューターとしての才を見いだされ、現在に至ると言います。
「中学まではPGで、札幌山の手に入ってからも1、2年生もPGで試合に出ることが多かったですが、今年のチームでは1年の高橋などがPGをやるようになりました。加えて、シューターがあまりチームにいなかったこと、新チームが始まった1月頃に自分の3ポイントの調子が良かったことで、そこから本格的に打ち始めました」
いかに質の高いシュートを打てるかを模索する中で参考にしているのが、男子日本代表として活躍する富永啓生選手。「特に富永選手のオフボールの動きを見て学ぶことが多いです」と言い、「ほかにもBリーグの試合は毎回見ますし、女子選手では林咲希選手を参考にしています」と巻選手。本日の精華女子戦は、最終戦にして培ってきた自身の持ち味を最大限に発揮した試合となりました。
札幌山の手は初のトップリーグを2勝5敗でフィニッシュ。普段は北海道外の相手、ましてやトップレベルの相手と対戦する機会が少ないチームにとっては得難い経験となったはずです。
「U18日清食品トップリーグ2023」は「U18日清食品リーグ公式YouTube」と「バスケットLIVE」で全試合ライブ配信中です。
また、スポーツナビでも一部試合を配信しております。日本中を “沸かす” U18世代国内最高峰の戦いを是非配信にてご観戦ください。
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