「絈野選手だけに頼り切らないように」
岐阜女子 #6 柴田緑
最終週を迎えた「U18日清食品トップリーグ2023」。ここまで4勝2敗の岐阜女子(岐阜県)と5勝1敗の大阪薫英女学院(大阪府)による試合は、序盤から白熱した展開となる中、予想以上に明暗がはっきり分かれるゲームとなりました。
両チームともに、立ち上がりから集中を見せました。開始10秒で大阪薫英女学院#6木本桃子選手(3年/167cm)が3ポイントシュートを決めると、すぐさま岐阜女子もエースの#4絈野夏海選手(3年/172cm)が3ポイントをお返し。そのスローインを大阪薫英女学院があっという間に#11三輪美良々選手(1年/177cm)の速攻につなげるなど、両者一歩も譲らぬ攻防に会場もヒートアップします。
すると、ここで驚異的な活躍を見せたのが岐阜女子の絈野選手。厳しいマークをものともせずに、4/4と100%の確率で3ポイントシュートを射抜き、会場をどよめかせます。持ち味の堅いチームディフェンスも機能し、23-14と岐阜女子がリードして第2クォーターに入ると、その後も試合の主導権を握りました。絈野選手のみならず#8ジュフ ハディジャトゥ選手(3年/186cm)や#6柴田緑選手(3年/177cm)らが内外角から得点を重ね、前半を終えて47-22と予想以上に一方的な展開が続きます。
後半、何とか勝機を見出したい大阪薫英女学院は、激しくディフェンスを仕掛けて相手のミスを誘います。それでも、岐阜女子は絈野選手が速攻でバスケットカウントを獲得するなど引き続きチームをけん引。その後も控え選手のフレッシュな活躍で大阪薫英女学院の反撃の芽を詰み、82-66で逃げ切りました。
2か月にわたるU18日清食品トップリーグ2023の最終戦で、高い完成度を披露した岐阜女子。チームの土台となっているのは3年生たちです。エースとして強い責任感を持つ絈野選手や、頼もしく成長中のハディジャトゥ選手の活躍が目立ちますが、スタメンのもう一人の3年生、柴田選手もチームに欠かせない存在。サイズと脚力を生かして相手のキーマンを抑えるしつこいディフェンスが持ち味で、さらにオフェンスでも臨機応変に対応することができます。この試合ではハディジャトゥ選手らとの息の合った連係プレーで前半5本のアシストに成功するなど、チームの潤滑油としての働きを果たしました。
そんな柴田選手は、昨年までなかなかプレータイムを得られませんでしたが、今年に入ってチャンスをつかんだ選手。「下級生の頃はメンタル面も弱くて、試合に出させてもらっても自分の力を発揮できませんでした。でも自分の課題を一つ一つ克服して、まずはディフェンス面を頑張ることを意識し、試合に出られるようになったと思います」とこれまでの歩みを振り返ります。
さらに今年は最上級生として、「絈野さんはすごく頼れる選手ですが、彼女に任せ過ぎるとプレーが行き詰まるところがあると思います。同じ3年生として、私も絈野さんと声をかけ合って、彼女に頼り切らないようにしたい」という思いでコートに立っているそうです。プレー面のみならず、こうしてエースを支える立場としてもカギを握る存在といえるでしょう。
彼女たち3年生がチームの土台となる中、安江満夫コーチは「このU18日清食品トップリーグで、試合を重ねながら2年生や1年生も伸びてきました」と下級生の成長にも目を細めます。インターハイは悔しい2回戦敗退に終わりましたが、今大会を通して大きく進化を遂げた岐阜女子は、間違いなく全国トップクラスのポテンシャルを秘めた注目チームです。
「U18日清食品トップリーグ2023」は「U18日清食品リーグ公式YouTube」と「バスケットLIVE」で全試合ライブ配信中です。
また、スポーツナビでも一部試合を配信しております。日本中を “沸かす” U18世代国内最高峰の戦いを是非配信にてご観戦ください。
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