勝利すれば優勝という条件下で「U18日清食品トップリーグ2023」の女子最終戦、京都精華学園（京都府）と桜花学園（愛知県）の対戦が行われました。インターハイ決勝の再戦でもあり、熱戦が期待された好カードは、その期待に違わぬ両チームのつば競り合いに。

第1クォーターは#5黒川心音選手（3年／164cm）を起点に得点を積み重ねた桜花学園が15-14と僅か1点のリード。第２クォーター、第３クォーターも差が付くことはなく最後の10分間を残して桜花学園が1点をリードしていました。

勝負の第4クォーター、桜花学園は#9阿部心愛選手（2年／175cm）が力強いドライブから得点を奪えば、京都精華学園も#18ユサフ ボランレ アイシャット選手（2年／191cm）がオフェンスリバウンドから多くのチャンスを演出。激しいリードチェンジの末に残り15秒を切って京都精華学園1点リードで迎えた桜花学園のラストポゼッション──桜花学園は徹底マークに遭うエースの#4田中こころ選手（3年／172cm）に代わって、このクォーターで好調だった阿部選手にラストショットを託します。

右コーナーに向かってドリブルした阿部選手は0度のポジションからストップジャンパー。しかし、そのシュートはわずかにリングを捉えることはできず、京都精華学園が劇的勝利で「U18日清食品トップリーグ」初優勝を飾りました。

京都精華学園は7人が10分以上のプレータイムを獲得して、9人が得点。まさに総力戦でつかんだ初優勝となりましたが、中でも活躍したのは2年生の#17桃井優選手（166cm）です。この試合では主に桜花学園のエース田中選手にマッチアップし、第３クォーター開始早々にはその田中選手のボールをスティールして得点につなげると、第４クォーターには5点ビハインドの苦しい場面でドライブからバスケットカウントを引き出すなど要所のパフォーマンスが光りました。

「最近ずっとシュートが入らなかったり、ディフェンスのことしか考えられなかったりと、オフェンスであまりチームの助けになれていませんでしたが、今日は空いているときには積極的に打とうと思っていて、それができたと思います」と桃井選手。

「大きな舞台に対する慣れなどはいまだにないのですが、1年ときからずっと使ってもらっているので（プレーに）責任を持たないといけないと思っています。後輩も入ってきて、ディフェンスをするだけでは出場機会は得られないと思うので、ひたすらチームに貢献できるようにディフェンスに加えてオフェンスももう少しできるようにしていきたい」（桃井選手）と試行錯誤しながら貢献する道を見付けています。

そんな桃井選手について山本綱義コーチは、「自分を前に出すのではなく、周りをどう生かすかという気持ちが出てきたと思います」と評価しつつ、「いろんなことが見えてきて、怖さも分かってきたと思いますし、もっと自分が得点してもいいところを遠慮もあるのかなと思います」と、そのポテンシャルにまだまだ期待している様子。

桃井選手のこの試合のスタッツは9得点、3リバウンドと特筆すべき数字ではないかもしれません。しかし、同時に記録した4つのスティールは彼女のディフェンス力や培ってきた地道な努力を証明するものであり、前述した2つのプレーも、チームとしてここ一本で変化がほしいというときに完遂したプレーでした。

3年生トリオの#4堀内桜花選手（167cm）、#5八木悠香選手（178cm）、そして#15ディマロ ジェシカ ワリエビモ エレ選手（188cm）という強固な柱が存在するチームで、3人の脇を固める選手たちの貢献が勝利には欠かせません。優勝につながった桃井選手の活躍こそ、まさにチームに欠かせないものでした。

「U18日清食品トップリーグ2023」は「U18日清食品リーグ公式YouTube」と「バスケットLIVE」で全試合ライブ配信中です。
また、スポーツナビでも一部試合を配信しております。日本中を “沸かす” U18世代国内最高峰の戦いを是非配信にてご観戦ください。

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