宮平竜気「きつい時こそ自分が一番頑張る」 拓殖大学紅陵(千葉県)
拓殖大学紅陵(千葉県)でキャプテンを務める宮平竜気選手は、身長163cmと小柄ではありますが、伊藤恭平ヘッドコーチが「とにかくリーダーシップに長けていて、練習からチームを引っ張ってくれる選手」と評する存在です。 「U18日清食品 関東ブロックリーグ2023」の正智深谷(埼玉県)戦は71-88で敗れはしたものの、ことあるごとに「ここから!」であったり「1ケタに戻すぞ!」という言葉と明るい表情で仲間たちを鼓舞し、チームが最後まであきらめずに戦い続ける原動力となりました。
「U18日清食品 関東ブロックリーグ2023」の印象について、宮平選手は「自分たちもこのレベルからそう遠くない場所にいると感じています」と語ります。「関東のトップレベルのチームと戦えるのは千葉県では自分たちだけで、すごく貴重な経験です。全国大会の常連チームはすごく鍛えられているし、自分たちにはまだまだ甘いところがありますが、力の部分では負けていない実感が得られて、チームの現在地を再確認できる機会になっています」 今夏、千葉県総体を制して初の全国大会出場を果たした拓殖大学紅陵は、エースの鴇田輝也選手を除けば県選抜や県大会でのプレー経験を持つ選手がいません。宮平選手も中学時代は市大会ベスト16が最高成績で、入学時はBチームのメンバーでした。
「自分は本当にここでやっていけるのかと不安でしたし、一瞬やめたいなって思ったことも正直ありました」と宮平選手は入学当初を振り返りますが、「いいものを持っているから死ぬ気で頑張れ」という先輩の言葉に背中を押され、「身長がなくても戦える」と証明するためにプレーしようと思えるようになったと話します。 リーダーシップを発揮するきっかけをくれたのも先輩でした。「中学の頃から周りを引っ張ることはやってきたんですけど、高校では自信がなくて。だけど先輩たちが『気にしなくていいから、自信をもって発言しろ』と言ってくれて、ちょっとずつ声をかけられるようになっていきました」
リーダーシップを取る上で心がけているのは、周りの雰囲気に流されないことです。練習でも試合でも「きつい時こそ自分が一番頑張る」を身上にし、休みたい時こそチームのために声を出すことを意識していると話すキャプテンは、「U18日清食品 関東ブロックリーグ2023」の試合後に行われた下級生の練習試合の間も、一度もベンチに座ることなく後輩たちの戦いぶりを見守りました。
「チームは自分たちの代だけのものじゃないので、下級生だから応援しないというのは違う」とその理由を話した小さなキャプテンの背中は、「U18日清食品 関東ブロックリーグ2023」のタフな戦いを経る中で大きさを増しています。下級生から見た宮平キャプテンは、彼がかつて勇気をもらった先輩のような頼もしい存在感があるに違いありません。
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