中島つぐみ「うれしい気持ちで臨んでいます」 明星学園(東京都)
「U18日清食品 関東ブロックリーグ2023」に出場した明星学園(東京都)は、とても元気がよく明るいチームです。「明るさは自分たちの唯一の取り柄なので」と笑顔で話すのはキャプテンの中島つぐみ選手。11月26日に行われた土浦日本大学(茨城県)との試合では、主力に欠場者が複数出る状況ながらも、プレーをしながらもこまめに声をかけ合って連携を取り、普段の練習で磨いてきた2対2のコンビプレーやリバウンドを生かすことで60-44で勝利を収めました。 明星学園は昨年度、指導者不在の時期を経験しました。中島選手は「新チームが始まった頃はケガ人が多くて5対5もできなかったし、練習試合もできませんでした」と当時を振り返り、NBAの映像から戦術を拾い出したり、1プレーが終わるごとに意見を交わしたりと自分たちで試行錯誤しながら練習を重ねてきて、楠田香穂里コーチの就任が決定した時は「やっとバスケに集中できる」と安堵したそうです。
明星学園はベンチからコートに出ていく時に、必ず全員でハイタッチを行います。これは女子バスケットボール日本代表としてオリンピックや世界選手権といった国際大会で活躍した出場経験を持つ、楠田コーチの提案で始まったものです。
楠田コーチは「選手たちが大変な時期を過ごしていたことは知っていたので、もう一度、みんなで心と心を通じ合わせなければいけないと思ったからです」と提案の意図を説明します。コーチの思い、選手たちの思いが、お互いの手のひらを通じて伝わり、大きな力を育んでいることは、試合中の彼女たちの様子からもよく感じ取れました。 現在の選手数は13人。欠席者やケガ人が重なった時は楠田コーチ自らがプレーに加わることもある明星学園にとって、このブロックリーグは5対5の実戦経験を積むことのできる格好の舞台です。中島選手は「今まで対戦したことがないチームにアジャストすることを学べるし、何より5対5の試合をちゃんとできることが楽しいので、『大変だな』じゃなく『試合ができる!』といううれしい気持ちで臨んでいます」と話します。
7試合を戦って3勝4敗。勝ち越すことはできず8チーム中4位に終わりましたが、失点454はリーグ内で最も少ない数字。試合中にもたくさんコミュニケーションを取り、チームで連携するディフェンスが印象的で、それが接戦をモノにするチームの持ち味にもつながっていました。
バスケットボールに思い切り打ち込める喜びを全身で表現し、それを伝播させ、増幅させて。明星学園は「U18日清食品 関東ブロックリーグ2023」の試合を重ねる中で、いくつものかけがえのない瞬間を味わっていました。
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