川原流彗「今度は今の1年生と2年生に伝えていきたい」 県立海部(徳島県)
県立海部(徳島県)は去年、県3位でインターハイ出場を逃し、それと同時に創設1年目の「U18日清食品 四国ブロックリーグ2022」に出場することができませんでした。それでも今年のインターハイ予選では準決勝で去年敗れた鳴門渦潮(徳島県)に勝利し、決勝では県立城東(徳島県)を破ってインターハイに出場するとともに、「U18日清食品 四国ブロックリーグ2023」に初出場しています。 今夏のインターハイは県立海部にとっては3大会ぶり4回目の出場で、今の選手たちには初めて経験する全国大会となりました。キャプテンとしてチームを引っ張る川原流彗選手は、「県内や四国内だけじゃなく関東のチームと戦わせてもらって、ディフェンスの強度やオフェンスの一個一個の力強さを実感しました。身体の当て方やディフェンスの圧など、一つひとつの圧が違いました」とインターハイでの経験を振り返り、その学びから得た練習の成果を「U18日清食品 四国ブロックリーグ2023」にぶつけようとしています。
レベルの高い四国ブロックで勝ち星を得られるにいますが、「今もあの時の感覚をイメージしてプレーしているんですけど、なかなか上手くいかないです」と川原選手は難しさを感じています。 それでも全国の常連である新田(愛媛県)に7点差、尽誠学園(香川県)に10点差と粘り強い戦いで接戦を演じてもいます。川原選手は「オフェンスが素晴らしい新田を相手にディフェンスやリバウンドを取って走るところで、少しずつですが成長を実感しています」と、このリーグ戦で得ている手応えもまた小さなものではありません。
夏の時点でもともと11人いた3年生の多くが進学準備のために引退し、リーグ戦を戦っているのは3人のみ。今まで以上にチームを引っ張る責任が増す中で、川原選手は積極的に声を出して下級生たちを鼓舞すると同時に、自分の経験を県立海部バスケットボール部に残していかなければいけないと考えています。 川原選手が意識するのは、彼があこがれた先輩の「2学年上のキャプテン」です。「僕とプレースタイルが似ていて、スピードもドリブルもすごいガードでした。自分が1年生の時に3年生で、一緒にプレーして学ぶことがたくさんありました。その時に自分が感じたことを思い出して、今度は今の1年生と2年生に伝えていきたい。それが自分の役割だと思っています」
夏のインターハイで経験したこと、そして今まさに「U18日清食品 四国ブロックリーグ2023」で経験していること。高校のチームは毎年選手が入れ替わっていきますが、川原選手の代が得た学びや経験を自分たちの収穫で終わらせるのではなく、後輩たちへと継承できれば、それは県立海部の『レガシー』となっていきます。そのためにも、川原選手は最後までベストを尽くします。
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