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U18日清食品リーグ

西山日葵「どんな場面でも信頼して使ってもらえる選手に」
四日市メリノール学院(三重県)

レポート
U18日清食品 東海ブロックリーグ2024

四日市メリノール学院の稲垣愛ヘッドコーチは、「U18日清食品 東海ブロックリーグ2024」は育成に重きをおいていると話ます。夏のインターハイでベスト8と躍進を果たした秘訣はディフェンスでのハードワークと息の合った連携、それを40分間継続させられる選手層でした。ベスト8進出を懸けた大阪桐蔭(大阪府)との試合では9人の選手を矢継ぎ早に入れ替えてオールコートでプレッシャーを掛け続け、相手の運動量が落ちた終盤に逆転する会心の勝利でした。

選手層の厚みがそのままチームの強さに繋がると稲垣コーチは信じています。「どの選手も良いものを持っていますが、練習では思い切りの良さを出せても、強豪相手に公式戦の緊張感の中で出せるかどうか。その見極めができる意味はすごく大きいです」と、稲垣コーチはこの大会を大いに活用するつもりです。

試合に使えるかどうかのポイントは組織的なチームディフェンスをこなせるかどうか。「それができないと穴になってしまうので。特にウチはディフェンスのローテーションが激しいから人数が必要になります。全国ベスト8という目標を掲げてスタートしたチームですが、この先にベスト8以上を目指すとなれば連戦も続きますし、もう2枚、3枚と使えるようにならないと」

8月12日の開幕戦では星城(愛知県)に、翌13日には安城学園(愛知県)を相手に連敗スタート。大会3日目の沼津市立沼津(静岡県)との試合は67-62で競り勝って初勝利を挙げました。それでも、稲垣コーチは勝敗をあまり気にしていません。「勝負事は勝つのが大事ですが、負けているから逆転するまで3年生を使うようだと、自分たちが追い求めてきたことがやれているかどうかが見れなくなってしまいます」

U18日清食品トップリーグ レポート画像

そんな四日市メリノール学院でチャンスをつかもうと奮戦しているのが1年生ガードの西山日葵選手です。インターハイではベンチに入れなかった彼女は今、チームの『10人目、11人目、12人目』に食い込もうとしています。

「1年生でも試合に出ている選手はいるので、自分も頑張らないと追い付けないと気合いが入ります。シュートを決めるのはもちろんですが、流れが来ていない時に激しいディフェンスで相手の流れを切ったり、ディフェンスからブレイクを出したりするプレーもやっていきたいです」

「最初の2日間はシュートも入ってドライブにも行けていたのですが、今日はシュートが当たりませんでした」。沼津市立沼津戦では3ポイントシュートを1本も決められなかった西山選手ですが、日頃の練習の成果を発揮できたこと、チームが勝てたことで充実感がりました。

試合序盤に印象的なシーンがありました。右コーナーから西山選手が放った3ポイントシュートがリングに弾かれ、両チームの選手がリバウンド争いに意識を向ける中、西山選手はすぐさまスペースに走り出し、オフェンスリバウンドを奪ったチームメートからのパスを受けて今度は左コーナーからの3ポイントシュートを放ちました。いずれも決められずに天を仰ぎましたが、稲垣コーチから拍手とともに「それでいいよ!」と声を掛けられ、すぐにまた走り始めました。

U18日清食品トップリーグ レポート画像

結果だけ見れば3ポイントシュート2本失敗ですが、コーナーまでコートを広く使っての3ポイントシュートをわずか数秒の間に2度も打てたことはシューターとして素晴らしい動きでした。稲垣コーチも「全然悪くなかったです。ああいうプレーをやってほしいんです」と、西山選手の動き出しの良さを称えました。

それでも、西山選手はこれに満足せず、さらに良いプレーを目指します。「ノーマークで打つチャンスを自分で作り出して、まずはシューターとしてしっかり決めること。でもシュートが当たっていない時も、ジャンプシュートに切り替えたり、ディフェンスで頑張ったりとチームに貢献できる選手でありたいです」

その先に見据えるのは、より序列を上げてチームに貢献できる自分の姿。「このリーグ戦が終わった時には自分がシックスマンとして、どんな場面でも信頼して使ってもらえる選手になっていたいです」と西山選手は言います。

これぞ稲垣コーチが「U18日清食品 東海ブロックリーグ2024」に求めるもの。「フレッシュな選手が出てきたほうが面白いバスケができますし、何より練習のモチベーションが上がってチームの雰囲気がすごく良くなります」。リーグ戦最初の3試合を終えると2週間の空きがあります。それまで充実した練習を積み重ね、また試合に臨みます。

「U18日清食品ブロックリーグ2024」 会場での観戦情報

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