• 日清食品
  • カップヌードル

U18日清食品リーグ

中澤虹晴「自信を持ってコートに送り出してもらえる選手に」
聖カタリナ学園(愛媛県)

レポート
U18日清食品 四国ブロックリーグ2024

聖カタリナ学園は「U18日清食品 四国ブロックリーグ2024」の初戦で県立城北(徳島県)に100-33の大勝を収めましたが、翌日の高知中央(高知県)戦は競った展開の末に63-66で敗れました。高知中央との試合は前半に苦戦しながらも、後半から足を使ったプレッシャーディフェンスで相手のリズムを崩し、3ポイントシュートを集中させて逆転に成功。それでも終盤、高知中央の留学生プレーヤーを止められずファウルが続き、フリースローで勝敗が決しました。

悔しい敗戦でしたが、この時期のテーマである「選手が主体的に考えて試合を作っていく」ことに手応えが感じられる一戦でもありました。普段の練習で行うプレーを遂行しつつ、常に変わりゆく試合状況の中でセオリーをなぞるだけでなく選手たちが自主的に判断し、その判断を受けてコート上の5人が共通理解の下でプレーする。簡単なことではありませんが、聖カタリナ学園の選手たちは時間がかかってもその精度を高めようとしています。

「選手が主体的に考えて試合を作っていく」プレーの象徴となったのは3年生のシックスマン、堤優和選手でした。前からの激しいプレッシャーで相手の出足を止めたディフェンスはもちろん、相手のディフェンスの出方を見極めて身長のミスマッチがあればインサイドで押し込み、相手の守備のリズムを乱すことで味方の3ポイントシュート攻勢を引き出しました。

U18日清食品 四国ブロックリーグ レポート画像

選手たちに求められる判断力と共通理解において、同じメンバーで3年間プレーしている上級生が先んじるのは自然な流れで、聖カタリナ学園は3年生が引っ張るチームです。だからと言って、下級生の台頭がなければチームの成長は頭打ちになります。3年生主体のバスケの練度を高めながら、下級生が試合経験を積む中で主力へと成長することが「U18日清食品 四国ブロックリーグ2024」での目標の一つです。

夏のインターハイでも試合に出た選手の多くが3年生だった聖カタリナ学園で、唯一スタメンを務める2年生が中澤虹晴選手です。中学時代はClub Peace of Mindに所属し、鈴木良和コーチ(パリオリンピックの女子日本代表アシスタントコーチ)の指導も受けた彼女は、次世代のエースと期待されていますが、まだまだ成長途上。高知中央との試合では「主体的に気付くバスケ」ができずに、後半はほとんどベンチから試合を眺めることになりました。

高い技術を持っていますが、3年生と一緒のプレーで時には遠慮が出てしまいます。局面局面で良い判断をしようと意識していますが、それが行き過ぎれば躊躇になり、思い切りの良いプレーが出ないことに。その難しさに直面した試合を中澤選手は「1対1で個人で打開して、自分のプレーでチームに流れを持ってくるような気持ちでやったんですけど、思うようにいきませんでした」と振り返ります。中澤選手に代わって後半に活躍したのが堤選手であり、中澤選手は「3年生はやっぱり落ち着いて判断ができている」と思いながら試合を見ていたそうです。

U18日清食品 四国ブロックリーグ レポート画像

ただ、今の3年生たちも1年前はそうではなかったはずです。先輩たちも下級生だった過去2年、この「U18日清食品 四国ブロックリーグ」で出場機会を得て、チームを引っ張る選手へと成長するきっかけをつかみました。その道を中澤選手も歩もうとしています。

今が肝心だということを彼女自身も理解し、「ただ練習をこなすだけでなく、普段の練習から試合のシチュエーションを想定することで、試合でも次に何が起きるかを予測しながら落ち着いて判断できるようになると思います」と語ります。

「U18日清食品 四国ブロックリーグ2024」の試合はまだまだ続きます。それが終わった時になりたい選手像を中澤選手はこうイメージしています。「大事なところでミスをせず、オフェンスではビビらずに攻める選手になりたいです。今日みたいな接戦の時こそ、自信を持ってコートに送り出してもらえる選手になっていたいです」

「U18日清食品ブロックリーグ2024」 会場での観戦情報

この記事をシェアする

レポート一覧へ戻る