金山颯「もっともっとゲームをコントロールできるように」
尽誠学園(香川県)
「日本一を目指すためにも、この『U18日清食品 四国ブロックリーグ2024』でチームとしての精度を上げつつ、オフェンスもディフェンスももっとレベルアップさせたい」
そう力強く決意を語るのは、尽誠学園(香川県)の2年生エース、金山颯選手です。U15 島根スサノオマジック出身で、尽誠学園では1年生から主力を務める彼は、今年3月には特別指定選手として加わった香川ファイブアローズでB3デビューを果たして話題を呼びました。しかし、2年生となって迎えた夏のインターハイは初戦敗退。大きな悔しさを味わっただけに、「もっとレベルアップを」という思いを強くしています。
8月17日に開幕し た「U18日清食品 四国ブロックリーグ2024」では、高知(高知県)戦に73-61と勝利すると、翌日の県立海部(徳島県)戦も67-50と白星を飾り、連勝スタートを切りました。チームを率いる色摩拓也コーチは、「U18日清食品 四国ブロックリーグ2024」に臨む上でのテーマを次のように語ります。
「リーグ戦は負けたとしても次がありますので、いろいろな選手を起用することができます。四国の強豪チームとの競ったゲーム、緊張感のあるゲームの中で、全国大会の経験の少ない選手たちがキラリと光るものを見せてほしい。それがチーム力の底上げに繋がっていきます」
その言葉どおり、この2連戦では多くの選手がコートに立ちました。高知戦では相手の組織的なディフェンスに苦しみ、選手たちが試行錯誤する時間帯もありました。それでも、金山選手がコートに立つとオフェンスに勢いが出て、点差を広げることに成功しました。迫力あるドライブ、意外性のあるパス、正確なシュートと様々な武器を駆使して、得点とアシストを次々と決めていました。
「序盤はみんなが考えすぎて足が止まってしまうシーンもありましたが、徐々にゲームに慣れることができました。自分自身も味方に合わせるプレーを出せたと思うので良かったです」と金山選手は会心のプレーを笑顔で振り返りました。
その「味方に合わせるプレー」のパスの受け手になっていたのが2年生ガードの坂東航選手です。夏のインターハイでメンバー入りできなかった悔しさをぶつけるように、キレ味鋭いカッティングからのシュートを幾度となく沈めていました。その活躍ぶりに色摩ヘッドコーチも「やってやるぞという気持ちが一番プレーに表れていました」と賛辞を送ります。
金山選手は「坂東選手の得点力を生かして攻撃の流れを作ることは意識していました」と話します。色摩ヘッドコーチの求める「経験の少ない選手のキラリと光るもの」を上手く引き出したという点で、これは金山選手の成長の証でもあります。
今後に向けて金山選手は、「もっともっとゲームをコントロールできるようになって、チームを勝たせられる選手になりたい」と意気込みを語ります。色摩ヘッドコーチは金山選手について、「この秋から冬にかけてが成長する時期」と指摘します。「できないことにもチャレンジさせて、メンタル面の成長をうながしています。できなかったことができるようになると、さらに自信を深められますし、もともと彼が持っている長所もより強力なものになります」とエースの進化に期待しています。
高く、大きく跳ぶためには、一度しゃがみ込む必要があるように、色摩ヘッドコーチはあえて金山選手に試練を与えています。悩みながら努力を重ね、その試練を乗り越えた先にこそ得られるものがあります。「残されている時間は多いようで少ないので、危機感をもって毎日の練習からやっていきたいです」。固い決意を口にした金山選手の表情からは、エースとしての覚悟がにじんでいました。
「U18日清食品ブロックリーグ2024」 会場での観戦情報
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