村田桂次郎「自分で打開していける選手に」
國學院大學久我山(東京都)
今夏、パリオリンピックを戦ったバスケットボール男子日本代表はフランスを相手にオーバータイムの末に惜敗しましたが、結果的に銀メダルを勝ち取った世界の強豪を打ち破る歴史的快挙にあと一歩まで迫った戦いぶりは、日本だけでなく世界中のバスケットボールファンから大きな称賛を浴びました。
世界の強国と比べるとサイズで劣る男子代表が用いた戦術は、コート上の5人がアウトサイドに位置し外角シュートとスピードに乗ったアタックを重視する「ファイブアウト」です。この代表と同じスタイルで、見るものをワクワクさせる戦いを見せているのが國學院大學久我山です。全国の強豪に比べるとサイズでは劣りますが、各選手が確かなスキルと外角シュートを持ち、アップテンポな展開から積極的な3ポイントシュートを放っていく爆発力が持ち味です。今年のチームは関東大会でベスト4に進出し、7年ぶりに出場したインターハイでは価値ある全国での1勝を挙げました。
そして迎えた「U18日清食品 関東ブロックリーグ2024」の初戦では、日本航空(山梨県)と対戦。6月の関東大会では序盤から大量リードを許して71-116と敗れた日本航空を相手に今回は持ち味の3ポイントシュートを効果的に決めることで食らい付き、最終的には98-114で敗れたものの、終盤まで逆転の可能性を感じさせる戦いぶりを見せています。
コート上の5人が積極的にシュートを打っていく國學院大學久我山において、エースの役割を担っているのが3年生ガードの村田桂次郎選手です。得点とチャンスメークの両方で大きな存在感を発揮する村田選手は、今回の一戦について「3ポイントシュート成功率を45%にしようというところで、今回は44%と良い数字でした。日本航空という強いチームに、100点ゲームまであと一歩のところまで攻めたことは自信になります」と収穫を挙げました。
自分自身のプレーについては、「僕がドリブルで相手ディフェンスを引き付け、外にいる選手にボールを渡すのが自分たちの一つのスタイルです。この流れで外から決められたことで良い試合ができました」と手応えを語ります。
村田選手の多彩なオフェンススキルの中でも光るのは、抜群のボディバランスと体格の強さを生かし、バリエーション豊かなレイアップシュートを打てるところです。今回も日本航空の高さとリーチの長さを備えたビッグマンのブロックを、ダブルクラッチでかいくぐって得点を挙げていました。「空中で相手をかわすプレーは得意です」と語る村田選手は、大好きなNBA選手に影響を受けています。「カイリー・アービングにずっとあこがれています。カイリーのように自分でどんどん打開していける選手になりたいです」
國學院大學久我山は都内有数の進学校でもあり、各選手も文武両道を求められます。平日に体育館を使えるのは約2時間に制限されていますが、チームのモットーは『堅守考攻』で、村田選手も「練習時間は短いので、頭を使うことが大切です」と語ります。
「この『U18日清食品 関東ブロックリーグ2024』では関東の強いチームと対戦できます。勝ち切ることは大切ですが、試合内容も意識していきたいです」と、一つひとつの試合を成長のための貴重な機会ととらえています。
そして個人としては「開志国際(新潟県)に負けた試合では、自分が大事な時間帯を任されていたのに得点が取れませんでした」と、インターハイで味わった悔しさを繰り返さないためのレベルアップに意識を向けています。「目標である日本一に向けて頑張ります」と語る村田選手は、日本一のスコアラーになることを貪欲に目指しています。
「U18日清食品ブロックリーグ2024」 会場での観戦情報
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