「自分たちの流れが良い時間帯では正しい選択をできるようになったと感じます。結果的にシュートが入らなくても、やっているプレーは間違っていない、そういうプレーが多くなりました」。県立四日市工業の北角寛人選手は、「U18日清食品 東海ブロックリーグ2024」を戦う中でのチームの変化をこう語ります。

県立四日市工業は『正しい判断をする』を念頭に置いて今大会に挑み、望み通りの収穫を手に入れました。水谷幸司ヘッドコーチは、正しい判断をするために「強い気持ちを持つこと」を選手たちに求めています。「試合に勝つには己を信じてやりきらないといけない。迷っちゃいけないんです。例えばシュートが外れても、シュートセレクションが正しければ続ければいい。入らなくても落ち込んでプレーを変える必要はありません」

それが「U18日清食品 東海ブロックリーグ2024」を戦う中で選手たちに根付いてきたと水谷ヘッドコーチは言います。「今までは落ち込んで打つことをためらっていた選手たちが、今では打ち続けています。昨日の試合後に選手たちにそう伝えましたし、今日も積極的でした。入る入らないじゃなくて、そういう姿勢が良かったです」

9月23日に行われた高山西（岐阜県）との試合では、最近の課題であった『入りの悪さ』を改善し、出だしから積極的にシュートを打ち続けて県立四日市工業のバスケットを展開。結果的に敗れましたが、大会を通じてトライ＆エラーを繰り返し、県立四日市工業は着実な成長を続けています。

中でも北角選手は留学生プレーヤーに強烈なブロックショットを浴びてもひるまず立ち向かい、ドライブや3ポイントシュートでオフェンスを牽引し続けました。北角選手は「大会序盤には自分が気持ちで負けてしまい、攻められない時がありました」と振り返ります。

それでも、大会終盤のこの試合でそんな姿を見せることは全くありませんでした。北角選手は「今日の試合は特に自分がアタックして、シュートを決めることを意識して強気でやっていました」と意識の変化を語り、プレー内容についてもこう続けました。

「三重県内の試合だったらフィニッシュまで行けるシーンも、この大会だとブロックされてしまいます。シュートを打つ前にストップして一度周りを見てから打つとか、仲間に合わせるプレーが必要になります。最初の頃に比べたらブロックされる回数も少なくなってきましたし、そこは『U18日清食品 東海ブロックリーグ2024』を通じて上手くやれるようになってきています」

高山西との試合では得点でチームに貢献していましたが、北角選手はこの大会で「得点以外の部分での貢献」を意識していたと明かします。「シュートが入る時は良いんですが、コーチから『シュートが入らない時にどう貢献するか』と言われています。そういう時こそ、『この大会ではディフェンスやリバウンドを頑張ってやろう』という意識をずっと持ち続けていました。やっぱりシュート以外でもチームに貢献できる選手になりたいです」

そんな彼が『すごくあこがれている選手』として挙げるのが、県立四日市工業OBでアルバルク東京で活躍する安藤周人選手です。安藤選手と言えば優れたシューターとして有名ですが、ハードなディフェンスにも定評があります。北角選手は言います。「僕も安藤選手と同じシューターなので、あこがれています。それに、僕はディフェンスがまだまだですが、安藤選手みたいに激しくディフェンスができるようになりたいです」

｢U18日清食品ブロックリーグ2024｣ 会場での観戦情報