佐取龍之介「九州の強豪チームとの戦いが自信に」
琉球ゴールデンキングス U18(B.LEAGUE U18)
琉球ゴールデンキングス U18は、初開催となった「U18日清食品 九州ブロックリーグ2024」にB.LEAGUE U18から出場しています。11月9日に行われた八女学院(福岡県)戦は前半を1点ビハインドで終えましたが、後半になると自分たちの強みであるインテンシティの高いディフェンスで相手に主導権を与えず、スティールからのファストブレイクポイントなどで次々と得点を重ね、最終スコア90-67で勝利しました。
琉球 U18が高校の部活動チームと公式戦で戦うのは今大会が初めて。それでもディフェンス力をベースにB.LEAGUE U18らしい緻密な戦術を駆使して、5勝3敗と勝ち越しました。与那嶺翼ヘッドコーチは「テーマはディフェンスを強調してどれだけ勝ち星を重ねられるか。平均失点を70点以下に抑えられているので、僕たちの方向性としては間違っていないことを確認できました」と手応えを語ります。
八女学院は身長2m級の留学生プレーヤーを2人擁していました。与那嶺ヘッドコーチは「B.LEAGUE U18には外国籍選手はいても、こういうパンチのある留学生はいないので、僕たちはあの高さを日常では味わえないのですが、サイズがなくてもバスケができることを表現していきたかったです」と言います。
実際に試合では留学生選手にディフェンス2枚で対応してゴール下から締め出したり、リバウンドを取られても相手がボールを下げた隙を見逃さずに手を伸ばしたりと、対策が徹底されていました。キャプテンの佐取龍之介選手も八女学院戦を終えて、「自分たちは留学生がいなくて、スターティング5もそこまで大きくありません。その中でも自分たちの強みであるディフェンスからのトランジションでの3ポイントシュートだったり、フリーでのレイアップをたくさん出せました」と手応えを語ります。
佐取選手は公式戦で初めて部活動チームと対戦して「めっちゃ楽しいです!」と笑顔を見せました。「留学生対策をして試合に臨みましたが、実際にやってみると相手は想定以上に大きかったです。でも、怖がらず、相手の土俵に乗らずに自分のペースで行けました。九州の強豪チームとやり合えていることが自信に繋がっています」と言い、会場の雰囲気に関しても普段との違いをこう語ります。
「試合中もチームの応援が聞こえてきて、女子はチームごとに歌の応援があったりして、そういうものはB.LEAGUE U18の大会にはありません。僕は高校からクラブチームに入ったので、中学の部活を思い出して懐かい気持ちになりました(笑)」
部活・クラブの垣根を超えたリーグ戦文化の定着を目指して、昨年の「U18日清食品 関東ブロックリーグ2023」にサンロッカーズ渋谷 U18がB.LEAGUE U18から初めて出場し、今年は琉球を含む6チームが出場しています。
「部活動とB.LEAGUE U18がこうやってしのぎを削りながら切磋琢磨することで、育成年代のレベル全体が上がります。トップチームのレベルを上げる意味でも育成年代は非常に大事ですし、B.LEAGUE U18からも日本代表で活躍できるような選手を輩出したいです。部活動チームにはアンダーカテゴリーの代表選手がたくさんいるので、そういった選手たちと一緒にレベルアップできれば、4年後のロサンゼルスオリンピックの景色もまた変わってくると思います」
そう語る与那嶺ヘッドコーチは、bjリーグでプレーしていた現役選手として2016年のB.LEAGUE誕生を経験しています。「B.LEAGUE以前にはNBLとbjリーグがあって、まさに今の部活動がNBLで我々B.LEAGUE U18がbjリーグのような感覚です。2つのリーグが統合されてB.LEAGUEになったことで、日本バスケのレベルは一気に上がりました。そして今、この『U18日清食品リーグ』によってU18年代で同じことが起きるんじゃないかという期待感を私は持っています。今後どうなっていくか、楽しみでしかありません」
「U18日清食品ブロックリーグ2024」 会場での観戦情報
この記事をシェアする