中野真優と小幡明日奏
「後輩たちに思いを繋げられるように」龍谷富山(富山県)
龍谷富山の佐藤肇コーチは、「U18日清食品 北信越ブロックリーグ2024」を「自分たちの力を測る絶好の舞台」と位置付けて大会に臨みました。「夏のインターハイは初戦で敗退し、その悔しさを糧にして練習を重ねてきました。北信越の強豪を相手にその成果をどこまで出せるか。自分たちの強みを発揮しつつ、弱みを見せないように戦いたいです」
10月19日に行われた初戦、県立新潟中央(新潟県)戦は52-71、続く県立足羽(福井県)戦は58-89と連敗スタートとなりました。佐藤コーチは「敗戦から得られるものも多いです」と前を向き、「選手たちが『もっと高い強度で練習からやらないといけない』と気付いてくれたと思いますし、敗戦したことが質の高い練習につながっています」とポジティブにとらえます。
11月16日には、今年6月の北信越ブロック大会を制した鵬学園(石川県)との一戦に挑みました。チームとしてスカウティングも行い、鵬学園の対策を重ねた上での大事なゲーム。キャプテンでポイントガードを務める中野真優選手は「自分たちの強みであるローポストの攻防と速いオフェンスが鍵」と話します。
その言葉通り、序盤は速い展開に持ち込みつつ、中と外から効率良くシュートを沈めていきます。3年生のシューター、小幡明日奏選手は第1クォーターだけで3ポイントシュートを2本決めてオフェンスに勢いを与えます。ディフェンス面でもここぞの場面でダブルチームを仕掛けて、相手のミスを引き出し、狙い通りのプレーで奮闘しました。
ただし、31-43の12点ビハインドで迎えた後半は、ギアを上げてきた鵬学園に試合の主導権を奪われます。相手の強度の高いディフェンスに攻めあぐねるシーンが多くなり、焦りからかミスも増えてしまい、最終的には65-95と大差を付けられて敗れました。
試合後、中野選手は「自分たちの実力不足を痛感しました」と唇を噛みましたが、その一方で「北信越のチャンピオンである鵬学園を相手に通用する部分も確認できました。その強みをより磨いていきたいです」と手応えを語ります。攻守で奮闘した小幡選手も「思い通りのシュートを打って、決めることができた場面もあります。ディフェンスでは相手の留学生をどう抑えるかの練習をしてきましたが、その成果をある程度は出せました」と収穫を挙げました。
1年生の時から試合に出て経験を積んできた中野選手と小幡選手に対して、佐藤コーチは「もっともっとやってほしい」と期待をかけています。「苦しい時間帯に声を出すこと、チーム全体を鼓舞すること。何よりもチームが苦しい時に『私がやるんだ』という姿勢をプレーで示してほしいです」
その期待に対して、2人は力強い言葉で決意を示してくれました。「私たち2人以外のスターターは2年生なので、もっと声を掛けたり、2年生の思っていることを聞いたりしてチーム力を上げられるように、できることをやっていきたい」と小幡選手が言えば、中野選手も「1年生の時から試合に出してもらっていた分、責任があります。その責任を果たすには、さらに努力が必要だと感じています。技術面よりも気持ちの面。声掛けや、がむしゃらなプレー、そういったところで後輩たちに思いを繋げられるように、しっかりやっていきたいです」と続けました。
中野選手と小幡選手は3年間同じクラスで、住んでいる場所も近いため登下校も一緒で、バスケだけに限らず多くの時間を共有し、絆を深めてきました。高校バスケ生活でたくさん味わった喜怒哀楽。最後の一幕で悔いを残さないためにも、2人は「とにかくやり切ろう」と誓い合っています。
「U18日清食品ブロックリーグ2024」 会場での観戦情報
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