田中結衣菜 「この経験をプラスに変えて」
福知山成美(京都府)
「U18日清食品 近畿ブロックリーグ2024」最後の試合となる大阪桐蔭(大阪府)との試合に、福知山成美は1、2年生の新チームが胸を借りるつもりで挑みました。結果としては43-118の大敗となりましたが、相手は全国優勝の経験もある強豪で、3年生もまだプレーしています。伊藤久ヘッドコーチは「大阪桐蔭は身体が強く、足もよく動いて、判断も素晴らしいです。経験も含めてすべてのレベルが高いチームを相手に、40分間戦い続けることができたのは、私たちにとって大きな経験になりました」と目を細めました。
福知山成美は身長190cm台の留学生プレーヤーを2人擁していますが、彼女たちも下級生で経験が必要です。他の選手は150cm台から160cm台とサイズがありません。伊藤ヘッドコーチは「まずは身体作りですし、フットワークも足りませんが、面白い選手がたくさんいます」とチームのこれからの可能性を信じています。
大阪桐蔭との試合で目立ったのは、サイズよりもフィジカルの問題でした。コンタクトでバランスを崩されてボールを奪われたり、守り切れない場面が何度もありました。それでも1年生の田中結衣菜選手は、この経験がプラスになると言います。
「試合の序盤は前からのディフェンスの圧力が強くて、簡単にボールを奪われてしまいました。ただ、それにも徐々に慣れてきて、途中からはダブルチームを仕掛けられてもディフェンス2人の間をドリブルで割っていくこともできました。そこからパスで良いチャンスを作ることもでき、自分の力が通用するという感触を得られました」
田中選手は非凡なスキルを持っており、2人の間を突破するドリブルはもちろん、テンポをずらしたワンハンドパスなど、センスの光るプレーを見せていました。大阪桐蔭の粘り強いディフェンスを切り崩してペイントエリアに入り、シュートを狙うのは簡単ではありませんが、試合が進むにつれてそんなシーンを何度となく作り出しました。
「自分の原点は間違いなく中学時代にあります」と田中選手は自分のプレースタイルについて説明してくれました。「中学校の時はクラブチームに所属していて、様々な技術や相手との駆け引きの仕方を教わりました。キャッチせずにパスをしたり、ボールをもらう前に相手とのズレを作って、キャッチしながらのアタックとか。ただ、高校ではシュートを決め切る強さを身に着けないといけないと感じているので、これからはそこを伸ばしていきたいと思います」
福知山成美は、「U18日清食品トップリーグ2024」に出場している京都精華学園と京都両洋に続く、京都府で3番手のチームです。全国大会には出場しておらず、6月の近畿ブロック大会でも2試合しか戦えなかったため、トップレベルのチームと戦う経験が不足しています。だからこそ大阪桐蔭のような強豪と戦えるチャンスは、たとえ大敗を喫したとしても自分たちの現在地を知り、モチベーションを高める絶好の機会となります。
田中結衣菜選手も「U18日清食品 近畿ブロックリーグ2024」を経験したことで、自分の目指すべきレベルを見定めて士気を高めています。「高校バスケの時間はあと2年あります。どんな相手でも強気なプレーで、自分がシュートまで持っていくという姿勢を見せて、チーム引っ張っていきたいです」
彼女が個人的にあこがれる選手は京都精華学園のエースの林咲良選手で、「すごく上手くてあこがれていますし、プレーを真似しています」と言います。目指すレベルはかなり高いところにありますが、来年の、そして2年後の自分がそのレベルでプレーすることを目指して、田中選手は今まで以上に練習に打ち込むと意気込んでいます。
「U18日清食品ブロックリーグ2024」 会場での観戦情報
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