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U18日清食品リーグ

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寺島慧「コミュニケーションをもっと大事にしたい」瓊浦(長崎県)

レポート
U18日清食品ブロックリーグ2025 グループH

瓊浦(長崎県)は、「U18日清食品ブロックリーグ2025」の開幕戦を地元長崎の HAPPINESS ARENAで迎えました。8月23日の県立川内(鹿児島県)戦を99-56、翌24日の東福岡(福岡県)戦を83-66と連勝スタートとなりましたが、東福岡との試合を終えて埴生浩二コーチは「勝てたのは良かったですが、難しい試合でした」と語りました。

今年の瓊浦は2年生のエモビーノ エマニュエル ディライト選手、1年生のフィデリス イズナ ゴッズパワーと強力な留学生プレーヤー2人を擁しています。この2試合はエースの奥野脩雅選手を欠き、スタメンのうち3年生はキャプテンを務める小畑那瑠だけでしたが、下級生でも主力を張る選手たちが高い能力を発揮し、東福岡でも序盤からリードを奪いました。

しかし、瓊浦の思い描くようなプレーはなかなか出せません。インターハイでの瓊浦は、1回戦で県立能代科学技術(秋田県)と対戦し、ディライト選手が46得点、ゴッズパワー選手が22得点の大活躍で快勝したものの、2回戦で尽誠学園(香川県)に敗れています。相手の留学生対策が当たった時に、他で挽回できなかったことが敗因でした。

そして今回も、前半を49-27と圧倒しながら、後半に東福岡がディライト選手を外に引っ張り出す対策を徹底すると押され始めます。埴生コーチは「ゲームを支配するような試合展開に持っていきたいのですが、できませんでした。どのチームも対策してきます。それを東福岡さんに教えてもらいました」と振り返ります。

強力な留学生を擁していても、彼らに依存せずチームバスケをするのが大事。だからと言って外からのシュートをただ打ち続けるのではなく、留学生の2人も生かしたインサイドワークから良いシュートチャンスを作るバスケに瓊浦は取り組んでいます。

「アンドレ」の愛称で呼ばれるディライト選手がゴール下で良いポジションを取った時には彼の強みを生かすべきです。ただ、ディライト選手のゴール下ばかりではオフェンスが単調になります。ここでどのようにバランスを取り、攻め手を増やすかが、今の瓊浦のテーマとなっています。2年生フォワードの寺島慧選手は「アンドレ頼みにならないようにと思っていても、気付けば頼ってしまっています」と、その難しさを語ります。

「彼らの力を使うだけでなく、もっと引き出しながら、なおかつ他の日本人選手の力も生かせるようなバスケをやっていきたいと練習からいろいろ試しています」と語る寺島選手は、試合中も自分が起点となって打開を図ったり、スペーシングを意識して走ったりと、試行錯誤を繰り返していました。

「後半に相手のペースにされて厳しい試合になりましたが、勝敗にはこだわっているので、勝てたことは良かった」と、寺島選手はまず勝ったことをに安堵した様子。しかし、たくさん出た課題を翌週の練習でどう改善していくかに、すぐに意識を切り替えました。

「コミュニケーションをもっと大事にしたいです。僕らはコート上でしゃべることがあまりなくて、それはダメだという意識はあるのですが、なかなか変えられません。普段の練習から、オフコートでもコミュニケーションを取って、試合中のコートでは当たり前にしゃべれるように、それが大事だという共通認識を作りたいです」

連勝しても改善点ばかりに意識が向いていましたが、それはレベルアップへの意欲の表れです。寺島選手も2年生ではありますが、先輩に引っ張ってもらうのではなく自分の行動でチームを良い方向に変えたいという強い意志を持っています。このリーグ戦が終わる頃に、連携の取れた多彩なオフェンスができるようになるか。瓊浦にとっては大きな挑戦です。「勝つのが一番ですが、ベンチメンバーも含めて全員が満足できるような勝ち方をしたい」と、寺島選手は力強く語りました。

「U18日清食品ブロックリーグ2025」 会場での観戦情報

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