11月23日に行われた「U18日清食品ブロックリーグ2025 グループG」の報徳学園(兵庫県)と柳ヶ浦(大分県)の一戦。報徳学園は序盤にリードを奪うも、第2クォーターに柳ヶ浦の巻き返しがあり、31-33と逆転されて前半を終えます。
後半も柳ヶ浦の好守のプレー強度が高く、報徳学園はトンプシン クリントン選手がファウルトラブルでベンチに戻ったタイミングを我慢できず、一気に点差を離されます。最後は松本晃瑶選手が意地を見せてアウトサイドシュートを決めますが、49-60で敗れました。
田中敬コーチは試合をこのように振り返ります。「単純にこちらのシュートが入らなかったという要素も大きかったです。ロースコアゲームだったので、数回あったチャンスをこちらがモノにできたら、展開が変わったのかもしれません」を悔しそうな表情を見せました。
この日の試合だけでなく、「U18日清食品ブロックリーグ2025」では勝負強さが問われると田中コーチは言います。「柳ヶ浦さんは本当に素晴らしいチームです。ただ、10回やったら10回負けるわけではないと思います。たとえば1回は勝てるとするならば、その1回をしっかりとここで出せるようにする強さがまだありません。そこが私たちの課題ですね」
田中コーチはベンチメンバーにも大きな期待を寄せており、積極的に多くのメンバーをコートに送り出しています。「今日に限って言うならば、ベンチから出てきた2年生が第2クォーターでもう少し粘り強くプレーしてほしかったのが正直なところですね。でも、これも経験です」と、チームの成長に繋げていく手応えは感じているようでした。
エースの松本晃瑶選手も同じ課題を感じています。「今日のようにシュートが入らないゲームはバスケをやっていればあることです。その中で、流れが悪い時にもっと選手間で声を掛け合っていかないといけないのに、それができていません。チームのみんなが弱気になってしまうので、僕が中心になって声を掛け合い、意識統一できないといけないと感じています」
このゲームの終盤で、松本選手がシュートを決め、流れが変わりかけた時間帯がありました。「ベンチで見ていた時に点差が離れ始めたんですが、少し焦りも感じていたので、固く2点を取ることが必要だと思っていました。自分も何本か決めることができましたが、チームとしてそういう時間帯の2点を狙うプレーは、もう少し精度を上げていきたいなと思いました」
この試合、様々なバリエーションで得点を決めていった松本選手は、昨年までの主戦場はインサイドだったそうです。「今年からアウトサイドでプレーをしているので、インサイドでの得点パターンは持っているのですが、プルアップとかピック&ロールを使うプレーはもっと伸ばしていきたいと思っています」
そんな松本選手のプレーには独特なリズムがあります。ゆったりとしたスピード感でペイントエリアに侵入していくスタイルは、インサイドでのプレー経験が生きています。
「ペイントに入っていく時に、ディフェンスしているインサイドプレーヤーがこのタイミングで出てくるだとか、どういうプレーをされたら嫌なのかは分かるので、そこを意識しています。自分はNBAが好きなので、サンダーのシェイ・ギルジャス・アレクサンダー選手をすごく参考にしています。独特なリズムがカッコ良いと思っていて、自分からリズムを作ってシャンプシュートを決められる選手になりたいです」
アウトサイドでのプレーを本格的に始めたのは今年に入ってから。松本選手はまだまだ大きな伸びしろを持っています。187cmのサイズとコンタクトを嫌がらない力強いプレー、相手を見てプレーできる判断力。そこにアウトサイドシュートを身に着ければ、まさに鬼に金棒です。また一人、関西から楽しみなスコアラーが誕生する気配がそこにありました。
この記事をシェアする