創設から毎年進化を続ける「U18日清食品リーグ」において、今年度は「U18日清食品トップリーグ2026入替戦」の新設が注目されています。「U18日清食品ブロックリーグ2025」から入替戦に出場できるのは、各グループの優勝チームのみ。さらに優勝チーム同士の成績で組み合わせが決まることで、例年以上に激しく内容の濃い試合が全国で繰り広げられています。
最終戦を残して「U18日清食品ブロックリーグ2025 グループA」の優勝を決めた北陸学院(石川県)は、開幕前から「トップリーグ参入」という目標を掲げて、ここまで得失点差+245という圧倒的な成績を収めています。
優勝して入替戦に出場するだけでなくシード順まで考慮し、濱屋史篤コーチは第3戦の八戸工業大学第一(青森県)戦から「得点は多く、失点は少なく」という目標を選手たちに意識付けたと話します。「たとえ試合の早い段階で点差がついたとしても、入替戦のことを意識して、試合終了のブザーが鳴るまで引き締まったゲームができる。とても良い環境だと思います」
11月23日の県立盛岡工業(岩手県)戦は、2週間前の県立山形中央(山形県)戦でディフェンスからオフェンスへの切り替えがスムーズにいかなかった課題を全員で確認し、第1クォーターから質の高いトランジションで31-13と大量リードを奪います。
先発こそ小笠原和真選手、小野蓮太選手、神保旺介選手、長谷川蒼選手、ファディペ バヨ ジョシュア選手という不動のラインナップでしたが、前週まで行われた県新人戦で経験を積んだ下級生にも多くのチャンスを与え、第2クォーター以降はすべて異なるラインナップを組みつつ、気を緩めることなく106-55で勝利しました。キャプテンの小野選手は「試合を通してトランジションはよく出せました」と試合を総括しました。
北陸学院は今夏のインターハイでベスト8という好成績を挙げましたが、たくさんの宿題を持ち帰ったと小野選手は言います。「インターハイはピック&ロール中心のオフェンスで、シュートが入らない時に得点が止まることが課題でした。イージーな点数を増やしていくためにこのリーグ戦ではトランジションのスピードを意識してきたところがあります。僕はシューターで、先陣を切って走らないとマークを振り切れないので特に意識しています」
「切り替え」を意味するトランジションを意識するのはプレー中だけではないと、小野選手は続けます。「このリーグ戦を通して、片付けや集合でも速さを意識するようになりました。そこで緩く動いてしまうと、プレーのことを話し合う時間が少なくなったり、次のチームの試合にも影響してしまいます。そこはチーム全員で意識してやれるように、声掛けなどもしています」
今年の北陸学院は下級生が多く試合にからむ布陣です。小野選手の名古屋ダイヤモンドドルフィンズ U15時代からの後輩にあたる司令塔の小笠原選手や、「Jr.ウインターカップ2025」で鮮烈なインパクトを残した1年生の友寄快星選手を筆頭に、多くの選手がこの「U18日清食品ブロックリーグ2025」を通して成長を遂げています。
「友寄選手は1年生なので、分からないことやできないことももちろんありますが、コーチから指摘されたことを練習からしっかり改善しようとするのが伝わってきます。これからもっと成長していくと思います」。小野選手は後輩たちの成長をうれしそうに話してくれました。
北陸学院は全勝優勝を懸けて、12月7日のリーグ最終戦を東北学院(宮城県)と戦います。
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