中部大学第一は「U18日清食品ブロックリーグ2025 グループE」を7戦全勝で優勝しました。夏のインターハイでは3回戦で東山(京都府)に63-83と完敗を喫しており、このリーグ戦はチームを立て直す機会となりました。
常田健コーチは「U18日清食品ブロックリーグ2025」を通してのチーム強化の狙いをこう語ります。「ウチは得点効率が悪くてロースコアの試合になると負ける、というデータが明確に出ていました。インターハイが終わってから、得点効率を上げるために必要なプレーを選択するためのルール、またディフェンスでもやるべきことの優先順位を明確にしました。その2本の柱を誰が出ていても体現する、という狙いでリーグ戦に入りました」
今年はケガ人が多く、なかなかベストメンバーを組むことができませんでしたが、その状況でもこのバスケの遂行力を高めるべく、一試合一試合に臨みました。初戦の育英(兵庫県)戦こそ得点は76に留まりましたが、その後の6試合はすべて88得点以上、3試合で100得点超えと、オフェンス面でのポテンシャルが爆発しました。
得点効率を上げていくためのカギは、まずはターンオーバーを犯さない、狙えるシチュエーションではセカンドチャンスを狙うことでオフェンスの回数を増やすこと。さらに得点期待値の高いファストブレイクのレイアップをたくさん出せるよう、走ってリングにアタックするプレーを求めました。
ここ数年の中部大学第一は大型化を図っていましたが、このリーグ戦の期間を使って「速い展開を生み出すためには多少のサイズダウンも致し方ない」という考え方でチームに変化を与えてきました。
キャプテンを務める深沢譲司選手は「インターハイが終わってチームで坂道ダッシュを取り入れて、とにかく試合でスピードアップできるような取り組みをしてきました」と言います。中部大学第一の体育館は丘の上にあり、学校の手前には坂道があります。練習前にここを駆け上がることで脚力を鍛えてきました。走る本数はどんどん増え、「今は7本を走っています。キツいですが、みんなで声を掛け合って頑張っています」とのこと。
「ここ2年はU18日清食品トップリーグに出場できなくて、今回から入替戦があるので、今大会では絶対に全勝優勝して、自分たちの手でトップリーグを勝ち取ろうという気持ちでやってきました」。深沢選手がそう語るように、来年3月の「U18日清食品トップリーグ2026入替戦」に上位として出場すべく、ただ優勝するだけでなく全勝優勝を目標に掲げていました。
その意味でリーグ戦のカギとなったのは光泉カトリック(滋賀県)、明徳義塾(高知県)と戦った10月12日、13日の連戦でした。この2日間はインサイドの軸となる留学生プレーヤーが不在でしたが、選手たちは奮起。深沢選手は「どうしても弱いのはリバウンドで、清水祥敬(197cm)や高橋昇霖(190cm)と身長の高い選手はいますが、ビッグマンだけが頑張っても限界があるので、ガードも含めた全員がリバウンドを取る意識で戦いました」と言います。その結果、光泉カトリックに96-65、明徳義塾に102-53と連勝し、見事に全勝優勝を決めました。
「今の選手たちはB.LEAGUEを見ていますし、U18日清食品トップリーグという華やかな舞台で自分たちのバスケを披露したいという気持ちがものすごく強くなっています」と常田コーチは言います。「私がどうこう言う前に、選手たちが入替戦を勝ってトップリーグに出たいんだと話し合っていました。今の3年生は1年生の時にトップリーグを経験しています。彼らが後輩たちをトップリーグに連れていくという良い舵取りをしてくれました」
3月14日と15日に行われる「U18日清食品トップリーグ2026入替戦」を戦うのは新チームになりますが、深沢キャプテンは「留学生のいないチームになりますが、今年も結構1、2年生が主体となって戦っているので大丈夫です。今取り組んでいるアジリティの高さを生かして、絶対に勝ってほしいです」と語ります。
会場は東京都北区の東洋大学赤羽台キャンパス。「卒業式の後になりますが、僕ら3年生は応援に行きたいです」と深沢キャプテンは笑顔を見せました。
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