「3年生の責任をもってチームを引っ張っていく」
東山 #8 小野寺星夢選手
9月22日(日)、東洋大学赤羽台キャンパス HELSPO HUB-3アリーナ(東京都北区)にて開催された「U18日清食品トップリーグ2024」。全国高等学校総合体育大会(インターハイ)王者、そして今大会もここまで2連勝中の東山(京都府)に、関東ブロック大会優勝の八王子学園八王子(東京都)が挑みました。
試合は第1クォーターから、互いに一歩も譲らぬ展開となりました。八王子学園八王子の#8 ンジャイ パプ ンデリ セク選手(2年/206cm)や#12 十返翔里選手(3年/192cm)が得点すれば、東山も#15 ウェトゥ ブワシャ エノック選手(1年/203cm)や#5 瀬川琉久選手(3年/184cm)、#14 中村颯斗選手(1年/178cm)の得点で対抗します。
東山は3点を追う形で入った第2クォーター、ケガから今週復帰した#11 佐藤凪選手(2年生/176cm)も含めてセカンドユニットを投入。一時は15点ビハインドを負いますが、#8 小野寺星夢選手(3年/180cm)の連続3ポイントシュートで追撃し、前半終了間際には小野寺選手の4本目の3ポイントシュートで41-46と5点差に縮めて前半を終えます。
後半も流れの奪い合いとなり、八王子学園八王子がリードは広げては東山が追い上げる展開が繰り返されます。八王子学園八王子は3点リードで入った第4クォーター、#7 平原侑真選手(3年/185cm)の連続得点で追い打ちをかけますが、東山もこの苦しい場面で瀬川選手がバスケットカウントを獲得するなど、集中を切らしません。中村選手の3ポイントシュートで3点差とし、瀬川選手のアシストから#6 カンダ マビカ サロモン選手(2年/203cm)がバスケットカウントを決めて77-78の1点差。さらに残り1分半、瀬川選手の得点で東山がついに逆転に成功しました。それでも、残り1分を切った緊迫の場面で、八王子学園八王子はエースの十返選手が値千金のジャンプシュートを決めて再逆転。そのまま逃げ切り、1点差でうれしい金星を挙げました。
近畿ブロック大会やインターハイを制してきた東山にとって、久々に味わう苦い黒星となりました。ただ決して、チームは暗い状況にあるわけではなく、光明もあります。その一つが、シックススマンを務める小野寺選手の活躍。実は東山は、瀬川選手が男子U18日本代表の活動で、松島慎弥選手がケガでそれぞれ抜け、最近2週間ほどダブルキャプテン不在の時期がありました。その間、代わりにキャプテンに立候補してリーダーシップを発揮したのが小野寺選手。
「(瀬川)琉久や(松島)慎弥に頼ってばかりではなく、自分も3年生の責任をもってチームを引っ張っていくことが、これからのチームの勝利のカギを握ると思ったから立候補しました。約2週間、走るメニューが多かったのですが、しんどいときに下を向かないようにプラスの声かけをしてきました」と言います。
この試合でも前半、ベンチから出てきて3ポイントシュートを連続で決め(前半だけで16得点)、声かけやガッツある姿勢でも苦しい時間帯をつないだのは、そうした2週間の取り組みの表れでしょう。ただ、「第3クォーター、ピックが来たときにディフェンスで引いてしまって、みんなの足を引っ張ってしまいました。それで第4クォーターの大事な場面ではコートに立てなかったので、そこは自分の課題だと思います」と振り返り、手応えも課題も両方得られた試合になったようです。
ケガ人もいる中、現在の東山はスタメンに1年生を3人抜てきし、インターハイのときとは違った布陣を試しながらステップアップしている最中といえます。成長とは、ときに痛みを伴うもの。小野寺選手も「いろいろ試しながら戦っていくことで、うまくいかないこともあると思いますが、その分チームも成長できると思います」と前向きに現在のチーム状況を捉えています。「U18日清食品トップリーグ2024」初黒星を喫したものの、インターハイに続く2冠目、初優勝を狙うことは変わりません。今回の悔しい敗北を良薬とし、ここから這い上がっていけるか、これからの東山に注目です。
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