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U18日清食品リーグ

上田結愛と橋口柚妃「嫌です、終わりたくない(笑)」県立熊本商業(熊本県)

県立熊本商業は9月に行われた「U18日清食品ブロックリーグ2025 グループH」の4試合で3勝を挙げる好スタートを切りました。しかし、ライバルの慶誠(熊本県)を倒すという意気込みで臨んだウインターカップの県予選では準決勝で敗れ、慶誠との対戦さえもかなわずに、全国大会出場の夢が潰えました。

それから3週間後に迎えた「U18日清食品ブロックリーグ2025」の高知中央(高知県)戦。エースの上田結愛選手は試合に臨む心境をこう語ります。「テンションは落ちましたが、ここで辞める選択肢はありませんでした。3年生の多くは大学でもバスケを続けますし、負けたから辞めるのではなく、いつも通り試合をして、そこから学んで上手くなりたいという気持ちでした」

県予選では上田選手が得意のドライブを仕掛けても、ディフェンスが2人、3人と寄ってきて止められました。その改善に取り組んできた練習の成果を、この高知中央戦で発揮します。上田選手はディフェンスをしっかり引き付けてからパスを選択。チームメートもパスを予期して絶妙なタイミングでコーナーに走るなど、上田選手個人だけではなくチーム全体で課題が解消できていました。

センターの橋口柚妃選手も、これまでの練習の成果をこの試合で発揮していました。留学生を擁するチームとの対戦では、170cmの橋口選手が留学生の高さにどう対抗するかが勝負のカギになります。九州ブロック大会での精華女子(福岡県)戦、「U18日清食品ブロックリーグ2025」の2試合目となった県立石川(沖縄県)戦で留学生の高さとパワーに苦しみながらも、橋口選手は自分にできたプレーとできなかったプレーを整理して、次の練習に生かしてきました。

高知中央の留学生、イファンイ フェイボー ンゴジ選手は身長190cmで、橋口選手とは実に20cmの差がありますが、簡単にファウルをしないよう注意しながら身体を当てて前を向かせず、そこでプレーを遅らせることでダブルチーム、場合によってはトリプルチームを仕掛ける。この対応でンゴジ選手を抑え込みました。

「いらないファウルを減らすように考えてプレーできるようになりました。精華女子との試合ではリバウンド争いで一緒に跳んでも結局勝てないことを学んで、県立石川との試合では先に身体を当てるなどの工夫をするようになりました」と橋口選手は言います。

2年生まではケガ続きでプレーできる機会が少なかった橋口選手の成長ぶりを、上田選手は「ゴール下で格段に強くなりました」と称えます。「ゴール下のプレーを毎日ずっと練習して、身体が強くなるだけじゃなくいろんなシュートの形で打ってみたりだとか。そういう姿を見てきたから、私も中にパスを入れる回数を増やすようになりました」

橋口選手も、エースの上田選手への信頼を語ります。「シュートの確率がすごく上がって、絶対決めてくれる安心感があります。上田がシュートを打った時に私がリバウンドに入るのですが、途中で『これは決まる』って分かるんですよ。ディフェンスに戻るにしても、リバウンドに行って取れずに戻るのはキツいんですけど、『決まる』と分かって戻るのはすごく気持ち的に楽です」

彼女たちに残された公式戦は、11月29日の明豊(大分県)戦と翌30日の大阪薫英女学院(大阪府)戦の2試合だけ。上田選手も橋口選手も「嫌です、終わりたくない(笑)」と声を揃えます。

「このチームでバスケをするのが楽しいんです。課題を次の試合でどうやって克服するのが毎試合同じじゃないし、『ここが成長している』みたいな感覚があるから、試合がなくなっちゃうと思うと悲しいです」と上田選手が言うと、橋口選手はこう続けました。「みんな仲が良くて、シュートを決めたら自分以上にみんなが盛り上がってくれるから、大変でもまた頑張ろうと思えます。毎試合でそのうれしさがあるから、試合がなくなるのは悲しいです」

「でも、引退試合の相手が大阪薫英さんなのはワクワクします。今まで3年間やってきたバスケの集大成をそこで見せたいです」と上田選手が笑顔を見せると、橋口選手も「最後の試合で悔いを残すのは嫌なので、私たちらしいバスケを貫きます」と力強く誓ってくれました。

「U18日清食品ブロックリーグ2025」 会場での観戦情報

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