筑紫女学園(福岡県)はウインターカップの県予選に敗れ、今年は全国大会出場を果たせませんでした。それ以来の公式戦となった11月22日、「U18日清食品ブロックリーグ グループH」の県立佐賀北(佐賀県)戦は、新チームにとっての初戦となりました。
これまでは3年生が主力で、下級生でスタートとして起用されていたのは芹川宇海選手のみ。その芹川選手が新キャプテンとなり、ポイントガードとしてもチームの舵取り役を任されました。
「新チームになって初めての公式戦で、経験のある私が3年生の抜けた穴を埋められるように、キャプテンとしてもチームを引っ張っていくことを意識しました」と、気合いの入る一戦でしたが、これまで3年生主体のチームだっただけに、いろんなことが想定通りにはいきません。
試合経験のないチームメートを引っ張ろうとすると自分のプレーに集中できず、ポイントガードとしての仕事をいつものようにこなせませんでした。「これまではディフェンスもオフェンスも3年生にカバーしてもらっていたのを全部やらなくてはいけなくなって、運動量がものすごく増えました。3年生にどれだけ助けてもらっていたのか、3年生のすごさにあらためて気付きました」
先発センターを任された寺島リアナリア選手も苦戦を強いられました。これまではベンチから出て5分前後のプレータイムだったという寺島選手は、チャンスを与えられて意気揚々とコートに立ちましたが、初先発は思ったようにはいきませんでした。
「これまでは流れが悪い時に明るく元気なプレーで雰囲気を盛り上げて、また先輩に繋ぐ役割でしたが、5分なら全力でプレーできても先発で30分以上プレーするとなるとペースを考える必要があって、勢いだけで何とかなるわけではありません。これまでは身長の高い先輩と一緒でしたが、今はセンターは自分だけなので簡単にはファウルもできないし、その大変さを感じました」
他のチームメートも、求められる役割が大きくなって四苦八苦しながら、攻守に懸命なプレーで県立佐賀北に食らい付きます。それでも県立佐賀北が要所でオールコートプレスを仕掛けると、その緩急に対応できずにターンオーバーを連発。そこから走られて点差を広げられる時間帯が何度かあったのが響き、54-86で敗れました。
想定以上の苦戦を強いられて敗れた試合直後でも、芹川選手と寺島選手は闘志を燃やしていました。「もっともっとやれるつもりでしたが、ドライブもリバウンドも全部通用しないと分かりました。練習しないといけないことばかりなので、もっともっと上手くなりたいです」と芹川選手は言います。
筑紫女学園はレベルの高い福岡県でライバルたちの後塵を拝していますが、新チームを担う芹川選手と寺島選手は、自分たちの代でその勢力図を塗り替えるというモチベーションを持っています。芹川選手はキャプテンとして、その抱負をこう語りました。
「福岡の女子には3強(精華女子、東海大学付属福岡、福岡大学附属若葉)がいて、私たち筑女が勝つとは誰も予想していません。だからこそ『見ていろ』という気持ちで、3強を撃破できるチームを目指します」
寺島選手も気持ちは同じです。「私たちは留学生もいないし、身長も小さいですが、『筑女、意外とやりおる!』と周りの人たちを驚かせるようなチームに成長したいです」
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